本日は、カーペットのサイズにまつわる謎についてのお話をしましょう。
よく、お部屋の大きさを表すのに ○○畳という表現が使われます。「帖」という漢字を使うこともあります。
畳という漢字をつかっていることから容易に推測できるように、畳何枚分の大きさかということを表します。いや、表していました。という方が正確かと思います。
よく、「6畳の部屋ですが、カーペットはいくらになりますか?」というご質問をいただきます。が、実はこれだけでは正式なサイズはわからないため正式な価格を出すことができません。
畳には、団地間、五八間、中京間、江戸間、本間など色んな規格があるからです。我家は団地だから団地間だ、とか、小さいから狭間だとかおっしゃるのですが、たいていハズレです。狭間はキョウマと読み、京都サイズ=本間の京間と混同されることもあります。両者の間には20%ほどの面積差がありますので間違うと大変です。
ここで、部屋のサイズに関わるちょっと不思議な話をします。
下の図をご覧ください。カーペットで江戸間3畳は176x261cm、江戸間6畳は261x352cmです。畳を当てはめるとこんな感じになります。
さて、ここで質問です。
「江戸間サイズの畳1枚分のサイズは何cmでしょう?」
カーペットを売っている人に聞いてみてください。おそらく答えは88x176cmと言われると思います。
そこで上図左側の3畳の図で考えてみましょう。
上に横向きに乗っかっている畳の長いほうが
176cmの幅になっていますから。長い辺=176cm。 その下で縦方向に2枚並んでますね。2枚の短い辺の合計が176cmですから1枚分では176÷2=88cm
。
よって、江戸間の畳1枚のサイズは88x176cmとなるのです。
ハイ正解! チャンチャン。
うん?
何かおかしくないですか? おかしいですね??
たとえば3畳の図、縦方向は上の畳の短い辺と下の畳の長い辺の合計ですから88+176cmですね…… 合計264cm
あれ261cmじゃない!
おかしいですね。ミステリーです。6畳の方で計算しても計算が合いませんね。
この謎を解けるのは誰?
実は私がこのことに疑問を持ったとき、周りにいる業界の色んな人に聞きました。でも、業界の人が、みんな答えられないんですよ。情けないですね。
はい、以上、カーペットサイズの不思議の話終わり!
えっ、回答はないのかって? ………… それはこの記事の最後のほうで少し。
大事なことは…部屋のサイズ、カーペットのサイズは理屈で考えないほうがいいということです。自分の家が団地間であるのか江戸間であるのかと悩む前に、メジャーで縦と横測ったほうが早いです。
カーペットを売っている店で 江戸間3畳いくら、江戸間6畳いくらで売っているお店が多いですが、それで実際にお客様のお部屋にフィットしているのかどうか不安です。
それでもあまり問題が起きないのは、使う側のお客様が、たとえば江戸間3畳を江戸間3畳用の部屋に敷き詰める目的で買っていないからだと思います。
江戸間3畳という名称はついていますが、要するに176x261cmのサイズのカーペットを大きな部屋の中敷として、つまりラグとして使っておられるからでしょう。
要するに今はそういう使われ方が多いのです。だから、○○間、○畳という言葉にはあまりとらわれず
1.全体に敷き詰めるのであれば全体のサイズをcm単位で。
2.部分的に敷くのであれば敷きたい部分のサイズをcm単位で。
と考えることをオススメします。
それではここで、
★カーペットの敷き方いくつかのパターンをご紹介しましょう。
1.リビングダイニングに2枚敷きするケース
ダイニングラグとリビングラグの組み合わせですね。
右側はダイニングテーブルです。この下には、汚れ防止、キズ防止のためにダイニングラグを敷いて頂くのがいいです。
サイズ的には180x230cmとか200x250cmとかですね。 椅子引きしろがほしいのでラグの長い辺をこの図のように敷くのがオススメです。
左側がリビングスペース。この図でいえば230cmの正方形ぐらいの感じですが、これは皆さんのお部屋のサイズに合わせて自由に決めましょう。
一般的には200x200cm、200x250cm、250x250cm、少し大きめのLDであればここに261x352cm つまり江戸間6畳のものを敷くのもありです
2.次にリビングその2
ソファー下のラグ+ お子様のプレースペースに円形のラグを置いてみる。
リビングラグと円形ラグの組み合わせ
円形の部分は、長方形にしても良いし、大きさも自由自在、お好きなように敷いてください。
ポイントはどこからどこまで敷きたいかを自分で決めてその形にオーダーメードすること。
ここまで、あえてご説明しませんでしたが、無地のものと柄の入ったものどちらを使うのがいいかってこと。 これ重要ですね。
部屋の中に複数枚敷くときは
柄x無地
無地x無地
で組み合わせるのがよいかと思います。柄x柄では少し柄同士が喧嘩してしまうことがありますので。
無地のカーペットのいいところは、サイズ加工が自由自在にできるところです。
出来合いのものはサイズが決まっています。それがピタリ入る場合はそれもいいのですが、スペースを自由に調整できるっていうのは結構便利です。
昔は、中敷にするのは柄物、というイメージが強かったようですが、今は全然そんなことありません。むしろ他のインテリアとなじみ易い、無地のものを使われるケースのほうが多くなっていると言っていいでしょう。
ラグ、カーペットは色柄で勝負せず、踏み心地や機能で勝負するべし!です。
3.最後にお子様の部屋。
(デスクカーペットを並べてみました)
できれば、全面にカーペットを敷き詰めてもらいたいところですが、この図では二つの机の足元にデスクカーペットとして敷いています。
デスクカーペットと言えば110x130cmというのがひとつの基準になっていますが、少し大きめにしておく方が椅子も自由に動かせますし、部屋も広く使えると思います。
ハイ、ここまで、カーペットのサイズの不思議というところからカーペットの敷き方の一例をご紹介させていただきましたが、いかがでしょう?
カーペット選びをするときには自分の部屋は○畳という考え方を振り払って具体的に縦横何cmであるのか、その部屋のどの部分にどのくらいの大きさのものを敷きたいと思うのか。ということから考えて頂くのがいいですよ。というお話でした。
「カーペットのサイズの不思議」の話。 少しややこしい話かつ、あまり役に立つ話ではありませんので、ご興味のある方のみお読みください。
(解説) 実は江戸間というのは、江戸時代、江戸周辺の建築で採用されていた部屋のサイズのことであり、畳のサイズとは直接の関係がありません。つまり江戸間6畳(261x352cm)、江戸間4.5畳(261x261cm)という2つのタイプの「部屋」があったということです。 そこに敷かれている畳は、企画サイズのものを6枚(或いは4.5枚)並べたのではなく、その部屋の大きさに合わせて畳屋さんが作ったもの。サイズが合わないところは、どこかでサイズを調節しています。そう、畳6枚すべてが
同じサイズというわけじゃないのです。
それを無理やり 「江戸間サイズの畳1枚分のサイズは何cmでしょう?」
という問題にしてしまったところに無理があるようです。
カーペットのサイズには江戸間2畳、3畳、などの規格がありますが、そもそも江戸間には6畳と4.5畳しか存在しないので、 江戸間2畳、3畳のカーペットがピッタリ当てはまる部屋はないのです。
一番近いサイズが五八間と呼ばれるもので、これは畳一枚当りが88x176cmです。上の図にあった
ように6枚畳を並べると五八間6畳=264x352cmというサイズになります。
サイズの不思議の話は、軽く流して、 お部屋にぴったり合わせてカーペットを敷くためには実際のお部屋サイズを測って、そのサイズにあわせてオーダーメードするのが一番だ。っていうこと
ご理解頂ければ幸いです。「
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