2013年2月9日土曜日

汚れの目立ちにくさということ


カーペットの汚れの目立ちにくさについてお話してみたいと思います。 汚さないのが一番いいのですが、そうはいきません。 汚れがつきにくい、あるいは取れやすいということはカーペットを選ぶときの大切な要素といえるでしょう。

いくら、汚れに強いものを選んだとしても、生活している以上、汚れがつくのは当たり前ですし、いかに上手くお手入れをしたとしても、どうしても汚れやしみは残ってしまう事があります。そんな時、頼りになるのが汚れの目立ちにくさという要素。
 
シャギーのように毛足が長いものや、ヨーロピアンデザインなどのように細かい柄がはいっているものは、 シミがのこっても毛足に紛れ、あるいは柄の中に溶け込んでカモフラージュされシミは目立ちにくいものです。 
 
ここでは、シャギーや柄物は例外として、無地のカーペットの汚れの目立ちにくさについて触れてみましょう。

 
実験をしてみました。

色によっても目立ちにくさは大きく違いますが、ここではカーペット表面の形状によってどう見え方がちがうのか。について

 
準備したのは6種類のカーペット。
 
(A)カットタイプ(白っぽい色)
(B)カットタイプ(ベージュローズ系の色)
(C)ループタイプ(白っぽい色)
(D)ループタイプ(ナチュラル色)
(E)リップルタイプ(ナチュラルベージュ色)
(F)バーバー色
(羊の毛のいろそのまま、かつ、白っぽい毛と黒っぽい毛がまじっていて一種の地模様のようになっています)

 
実験はこれらのカーペットに、少量のコーヒーをこぼし。シミの状況を調べたもの。シミをつけた直後と、簡単なシミ取り処理をした後の様子を撮影してみました。
 
それぞれ上段の画像は、シミをたらした直後、コーヒーが浸み込んだ時点で撮影したもの、いずれも、しっかりとしたシミになっていますね。
 
下段は、それから20分後、 エタノールを浸み込ませた濡れティッシュで20回叩いた状態。

(コーヒーの量、シミをとり始めるまでの時間。シミを取るために濡れティッシュでたたく回数などの条件はすべて統一させています。)

 
それでは、見ていきましょう。 ずらりと画像が並びます。

 
(A)カットタイプ(白っぽい色)

 シミ付着直後↓
 簡単なシミ取り処理後↓
明らかにシミが残っているのがわかります。
 

(B)カットタイプ(ベージュローズ系の色)


シミが残っているのはわかりますが、ベースの色がシミの色に近いため少し目立ち難いように思えます。
 

(C)ループタイプ(白っぽい色)


色は(A)のものと同じくらい白っぽいのでシミはよくわかりますがループタイプはもともと表面の低い部分が黒っぽく見えるためカットタイプのものよりはシミが目立ち難い様子がご理解いただけるかと思います。
 

(D)ループタイプ(ナチュラル色)



繊維そのものが色がミックスされているタイプなので、コーヒーのシミはどこにあるのやら??
 

(E)リップルタイプ(ナチュラルベージュ色)


リップルタイプとは表面に高い部分と低い部分があるタイプのこと。特にこのカーペットは低い部分に違う色のパイルが織り込まれている影響もありより、目立ちにくくなっているのではないかと思います。
 

(F)バーバー色 


このカーペットに関しては、白い毛と黒い毛をミックスして使用し地模様となっているため、柄物に近いといっていいでしょう。肉眼ではシミはわかるのですが、画像にしてみるとほとんどわからないですね。 


いかがでしょう?
 

(A)(B)と(E)(F)ではかなりの差が出てきています。あくまでもシミの量や処理の仕方などは同じ条件で行ったものです。


カーペット伝道師の私が、カットタイプのカーペットではなく、ループタイプ、それも表面が平らなものではなく、少し凸凹があるリップルタイプのものをオススメする理由がわかって頂けるのではないかと思います。

色についてはナチュラルベージュ系、がやはり目立ち難いと言えますね。 シミの素材がコーヒーであるからとも言えますが、実際に汚れというのはそういう色をしたものが多いものです。

余談になりますが、この実験で使用したカーペットは全てウールカーペットです。簡単なシミ取り処理でかなりシミがとれているのはウールカーペットならではであったかと思います。さらに、ウールカーペットは、使用しているうちに少しづつ表面が削れ落ちていきますので、(パイルがなくなってしまうという意味ではないのでご心配なく)、時間の経過によって、その削れ落ちた繊維片とともに、残ったシミも取れていくという利点もあります。カーペット伝道師がウールカーペットを強くオススメする理由のひとつでもあります。

以上、簡単な実験でしたが、

カーペットと汚れに関しては、汚れにくさ、取れやすさということと同様、汚れの目立ちにくさということも重要な要素であることご理解頂きたいと思います。





 

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